1999.06.16「音楽で夏を乗り切ろう!」

…暑い…。

東京は梅雨入りしたと言うのに、ほとんど雨が降りません。 このままでは、夏本番になった時に水不足になっちゃいます。 雨が一向に降る気配がないのに、 「梅雨入り宣言」してしまう気象庁にも問題があるんじゃないかとか ヤツアタリしたくなります。 もちろん、私達の貴重な血税を使って天気を予測している機関ですから、 素人には分からない理由があって、梅雨入りを判断したのに違いないのでしょう。

が、今の気候を「梅雨」と呼ぶにはちと無理があります。 やっぱり、梅雨とは:

とかじゃないとダメだと思います。 ちなみに、最後に関しては万人に当てはまるかどうかは保証の限りではありません。

ま、いずれにせよ、このジメジメが終ればムシムシした夏がやって来ます。 ジメジメもちょっと嫌ですが、ムシムシも嫌ですね。 嫌だといってもムシムシは無条件でやって来ますから、 そういった夏を乗り切る方法を考えてみましょう。

暑いのにやることがなくてゴロゴロするしかない場合、 私はハワイアンを聞くことにしています。つまり、

「ここはハワイだから暑いんだ、暑いのはハワイにいるからなんだ」

と自分に言いきかせてしまうのです。 すると、あーら不思議。なんとなく暑いのが許せる気分になってきます。 ラジカセを2台駆使して、波の音用と音楽用と使い分けて再生すれば効果倍増です。 さらに、ウクレレなんてつま弾けば、気分満点。 これで、いくら暑くとも不快指数が20ぐらい減るでしょう。 実際にハワイに行くとなると結構お金がかかりますから、非常に安上がりに済みます。 ただ、仕事中に使用すると脱力のあまり労働意欲が失せるという問題があります。

応用編としては、レゲエを聞きながら、

「ここはジャマイカだから暑いんだ、暑いのはジャマイカにいるからなんだ」

と自分に言いきかせるというのもあります。 ハワイアンよりはマイナーなジャンルですから、 ちょっと音楽の玄人的な選択肢ですね。ただし、この場合は下手すると

ずんちゃっか、ずんちゃっか

と言うベースの音が近所迷惑になる可能性があるので要注意です。 大学時代の知人に、隣人が毎日レゲエを聴いたおかげで ノイローゼ気味になった奴がいましたが、 ま、この隣人は真冬でも聴いていたそうですから仕方がないのかもしれません。 明らかに行き過ぎなケースなので参考にはなりませんが。 ま、いずれにせよ実際にジャマイカに行くよりははるかに安上がりですみますから、 これもお勧めです。

では、夜を考えてみましょう。 熱帯夜の寝苦しい状態から脱却したい場合、 私のお勧めとしてはボサノバがあります。この場合は、

「ここはブラジルだから暑いんだ、暑いのはブラジルにいるからなんだ」

と自分に言いきかせて暑さに耐えるのではなく (そもそもブラジルはこの時期冬です)、音楽を一種の睡眠薬代わりに使うのです。 ささやくようなポルトガル語は非常に耳にやさしく、 静か&穏やかで眠気を誘う音楽ですから、安眠間違いなしです。 間違っても、同じブラジルの音楽だからと言ってサンバのような、 妙に暑苦しい音楽を聴いてはイケマセン。

(*1)ウクレレ
ウクレレは私の愛玩楽器として、現在トップにあります (もちろん笛類を止めた訳ではありませんが)。 詳細を知りたい方は、蚤犬のページへどうぞ。

今日の推薦CD:
J.S.Bach, "Goldberg-Variationen"
G.Leonhardt (cemb)
Deutsche Harmonia Mundi, BVCD-1651 (74321-48616-2), 1976

バロック音楽で「寝苦しいときに聴く音楽」といったら、 筆頭にあがるのがバッハの「ゴルトベルグ変奏曲集」でしょう。 これは、不眠症だったカイザーリンク伯爵が良く眠れるように、 と書いて献上したと言う曰く付の名曲です。 当時、伯爵の元にはゴルトベルグという若いお抱えチェンバリストがおり、 彼がこの曲を毎晩奏でたという話です。

この曲には、グールドなど星の数程銘盤が存在しますが、 今回御紹介するレオンハルト盤は、グールド盤と同じぐらいの衝撃がありました。 レオンハルト節が冴え渡るCDで、のっけの主題から、 お得意のアゴーギグ(大まかに言ってしまえばテンポを揺らすこと)を 乱用(言いすぎです)した演奏です。 楽器は1730年のパリのチェンバロ製作家ブランシェのコピーで、 きらびやかでありながら芯のある良い音です。 ミスタッチは多少ありますが、そんなものが全く気にならないような良い演奏です。

蛇足ですが、ワタクシ、ハズカシながら、 今までこの曲は「ゴールドベルグ」だと思っていたのですが、 CDジャケットを見直して「ゴルトベルグ」だということに気づきました。 確かに"Goldberg"をドイツ語読みすると「ゴルトベルグ」になります。 英語読みすると「ゴールドバーグ」になる筈ですから、 一体なんで「ゴールドベルグ」と勘違いしていたのでしょうか?


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Copyright (C) 1999 Yusuke Hiwasaki