先日「もののけ」を見る機会がありました。しかも「生もののけ」です。 いや、正確には、米良美一(カウンターテナー)氏の リサイタルを聴きに行っただけだったんですけどね。 会場は、自宅近くの府中の森芸術劇場のウィーンホール(中ホール)でした。 そのホールには演奏会を聴きに行ったり、 演奏者として舞台に登ったこともありますが、満員状態を見るのは初めてでした。
内容については、米良氏も 最初のうちは音程も定まらずイマイチな感じがしていましたが、 後半のプログラムの日本の歌を歌う頃には調子がでてきて、 アンコールも盛り沢山の、全体的に素晴らしい演奏会でした。 伴奏の北原葉子氏も素晴らしいサポートでした。
ところで、皆さんはカウンターテナーのことをどれだけご存知でしょうか?
私もそれほど詳しくはないのですが、まず、基礎知識から行きましょう。 一般的に声楽の声域を大きく分けると、高い方から
ところが、男が裏声で歌うと、どうもいろいろ誤解が生じるようです。
私が聞いたことのある一番大きな誤解は、
実は、「タマタマちゃん」がないのはカストラートという男性ソプラノで、
20世紀初頭には去勢手術は禁止されていますので、
現在タマタマちゃんのない歌手はいないハズです。
つまり、私自身がカウンターテナーのタマタマちゃんを、
全て指さし確認した訳ではありませんが、
と、「高い音域の話題だけど品位は低い」話もこれにて終了。
今日の推薦CD: | |
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ということで、おそらく米良氏のデビューCDにあたるモノを御紹介します。 ヴィオラ・ダ・ガンバ演奏でもクレジットされている宇田川さんが設立した、 Cecileという、いわゆる「インディーズ」レーベルからの発売です。 このCDは「もののけ姫」などでメジャーになる前のモノで、 最近あまり見かけませんから、手に入れることができた人はラッキーでしょう。 内容としては、初期バロックの歌曲をオムニバスで集めてあり、 CD題名にもあるように、 モンテヴェルディの「アリアンナの嘆き」 (前回の話題にもでてきました)を メインに持って来てあります。 このCDには、他に芝崎さんのソロが一曲あるぐらいですので、 コアな「米良ファン」にはタマラんモノがあるかもしれません。 さすが日本の古楽界では有名な通奏低音奏者を集めただけあり、 低音のサポートも良く、米良氏もテクニック的には現在より劣るモノがあるにせよ、 素晴らしい出来。初期バロックの歌曲を満喫したいならオススメの1枚です。 ちなみに、このジャケットの写真に写っている米良氏は、 現在のように中性的(これって、狙ってるんですよね)ではなく、 フツーの男の子然としています。いま、 米良氏というと化粧ばりばりの写真ばかりなので、かえって貴重な写真かも。 |